ロサ

 

登場作品:風雲スーパータッグバトル

 

 

風雲スーパータッグバトルといえば真っ先にロサとキム・スイルを思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。新キャラクターにして今作の主人公。前作の風雲黙示録が失敗に終わったためか熱血漢だった主人公のショー・疾風とは全くイメージの異なるハードでアウトローな雰囲気を二人とも漂わせていました。ゲームの紅一点でもあるロサはジパングシティの警察組織と対立するレジスタンスのリーダーで、手にするその刀でおびただしい血を身に染めてきた深紅の女豹と恐れられる女性です。しかし、両親の顔も自分の名前さえも覚えておらず、レジスタンスに拾われ育てられてきた過去を持ちどこか哀しい雰囲気も漂わせています。

 

風雲スーパータッグバトルのストーリーは真獅子王に捕らわれた仲間を救出するためにロサが獣神武闘会に参加するという内容で、ロサは仲間の命だけでなく今作の命運もその手に託されていました。しかし、ロサとキム・カッファンの子孫であるキム・スイルは好反応だったものの、残念ながら肝心のゲームをヒットに導くまでには及びませんでした。

 

風雲黙示録はこれでシリーズが終わってしまうのですが、その後にSNKはThe king of fighters97で新キャラクター3人をこれまでに出てきた同社のゲームのキャラクターからファンの投票で決める企画を行います。ゲーメストとファミ通とネオジオフリークの三つの雑誌で人気投票を行いそれぞれ一位になったキャラクターたちでチームを組むというものでした。

 

ネオジオフリークでは見開き2ページでファン投票の企画の告知を行い、その中には20名くらいのキャラクターの絵が載っていてそこにロサの姿もありました。ネオジオフリークはロサも有力な候補だと思っていたのかもしれません。ネオジオフリークもプッシュしてくれている。これはロサの存在が広まる最後のチャンスといえました。  

 

ファン投票の結果はというと、ゲーメストがブルー・マリー、ファミ通が山崎竜二、ネオジオフリークがビリー・カーンとなりました。ネオジオフリークではキム・スイルが四位になっていて他誌で一位になったブルー・マリーよりも上と健闘をみせました。そして、ロサはというと、二十位の中にその名前は見当たらず……。圏外でした。龍虎の拳のミッキー・ロジャースでさえ入っているのに……。

 

これが現実か……。投票結果をこのコラムを書くために久しぶりに目にした時は一瞬、あるプロレスラーの言葉がよぎってしまいました。

 

でも、ファン投票企画から20年以上が経って、Twitterを見ていると今もロサのイラストが投稿され続けていているんですよね。爆発的な人気は得ませんでしたけど長らく愛されるキャラクターになったのだなぁと思いました。渋い人気を持つのもロサらしいのかもしれません。