ティナ・アームストロング

 

登場作品:DEAD OR ALIVE

 

 

テクモの3D対戦格闘ゲームDEAD OR ALIVEは今では6まで発売され人気シリーズとなっていますが、1の時はセガの基盤MODEL2で開発されており同時期にセガはその上位基盤のMODEL3のゲームを出していたのですから、初めから大ヒットは難しい立ち位置での船出でした。しかし、打撃技に勝てる掴み技のホールドボタンを採用した独自のシステムと主人公のかすみをはじめとした魅力的な女性キャラクターが作品を牽引しシリーズ化し展開されていくことになります。

 

最新作の6では30キャラクタ―以上いる中で女性キャラクターが七割近くいますが、1では8人のキャラクターのうち女性キャラクターはまだ3名しかいませんでした。当時の対戦格闘ゲームの中では多い割合でしたが男性キャラクターのメンツは濃い面々が集まり硬派な香りも十分に漂わせていたのですよね。

 

その中で今回取り上げるティナ・アームストロングは1から6までシリーズ皆勤賞であるこのシリーズに欠かせない人気キャラクターの一人で、女子プロレスラーである彼女は毎回のように衣装が異なることでも注目を集めています。金髪のアメリカ人で露出の多いプロレスの衣装を着た彼女はとてもセクシーな外見をしていますが、1では髪は黒髪で結び目のある赤いスポーツブラに下は黒いロングパンツに赤いレガースを着用していて、下半身は一切肌が隠れていてセクシーではあるのですがどちらかというとスポーティーな雰囲気の方が特徴的でした。2以降の彼女に比べると1の彼女は黒髪であることもありぱっと見日本人のようにも見え衣装も露出が控えめで別人のように思えます。

 

試合開始前もジョギングのようなステップでその場を軽く一回りしてからファイティングポーズを取るし、ファイトスタイルもプロレスラーですから多彩な投げ技を持っているものの、打撃技も十分に強くパンチやミドルキックを中心とした技は正統的な動きで、プロレスでも真剣勝負な空気感が売りのプロレス団体UWFを彷彿とさせるものがあります。足にも同団体が義務付けていたレガースを着用していますし、ファイトスタイルだけでなく衣装もU系の香りが感じられ、ティナもまたショー要素を排除して真剣勝負の空気を重視したスポーツライクなレスラーを感じさせるものがありました。僕はプロレスが好きで当時UWFの遺伝子を継いだプロレス団体がまだ人気を集めていましたから、UWFの系譜を感じさせるティナには何とも形容のしがたい惹かれるものがありました。

 

DEAD OR ALIVEは続編の2ではセガがドリームキャスト普及のために自社が当時使用していた基盤のNAOMIを他社にも提供しており、そのため1の時と違いテクモも最新の基盤を使いDEAD OR ALIVEが持つキャラクターの魅力が十分に表現され一気に人気タイトルの仲間入りをした印象があります。ティナも金髪にシルバーのトップスを羽織り黒のビキニ水着を着た衣装にイメージチェンジがなされ、1の時とは違った魅力を放ち作品に欠かせないキャラクターに定着していきました。1のティナと2以降のティナは別キャラクターであるかのようにビジュアルがだいぶ違いますが、ビジュアルの変化を楽しめるのもまたプロレスラーの持つ魅力なのかもしれません。