登場作品:サムライスピリッツ

 

 

サムライスピリッツのキャラクターで女性剣士。彼女が初めて登場したのが1996年に制作されたハイパーネオジオ64の第一弾作品となったシリーズ初の3D作品「サムライスピリッツ」です。色はラスボスである壊帝ユガに心を奪われその意思のままに動かされる操り人形であり傀儡のような存在です。ユガは自身の新しき肉となる子を宿す存在として色を操っていて、その存在を「半陰の女」と位置付けられた色は、「半陽の男」と見定められた覇王丸を追い狙うことになります。つまりは覇王丸との間の子を身ごもることが色の役割でそのためか全体的に動作が艶めかしくもあります。

 

この頃はエヴァンゲリオンのブームが真っただ中の時代で、SNKはゲームメーカーの中でも特にその影響が表れていて、エヴァが元ネタであろうアイデアがいくつも見られました。色も感情を持たない人形のような存在で台詞も片言であることが多く、綾波レイがモチーフだったと思われます。ただこの頃、たくさん生まれた綾波レイの影響を受けたキャラクターの中で艶やかさを個性として持たせたことで独自の個性を持ったキャラクターとして、そのスタイリッシュなデザインもあって支持を集めたと思われます。

 

続編である「サムライスピリッツ2アスラ斬魔伝」では、ユガの呪縛から逃れたものの、ユガの僕である反面のアスラに淡い思いを抱き、エンディングでは反面のアスラの子を身籠り、娘を出産します。

 

しかし、色はその後、娘を覇王丸と彼の師である花風院和狆に預け、消息不明となります。それがサムライスピッツシリーズにおける色の最後のシーンであり、とてもせつないラストを迎えました。サムライスピリッツでは悲しい結末を迎えるエンディングが少なからずありますがその中でも色のエンディングは、彼女の心情をいろいろと想像させられる余韻のあるラストではないでしょうか。娘である命は、サムライスピリッツの新章にあたる「甦りし蒼紅の刃」で15歳となった年齢でキャラクターとして登場しています。  

 

魅力的な外見から人気を得た色ですが、肝心の作品の方は「サムライスピリッツ」「サムライスピリッツ2」ともに大こけしました。それだけならまだしもそのキャラクター人気から、「SNKvsカプコン」「ネオジオバトルコロシアム」にも登場しましたけど、2D対戦格闘ゲームでもあるこの二作品も見事に商業的にこけています。色が出る作品は全部こけるというジンクスが出来ていましたけど、2019年に制作された「サムライスピッツ」に参戦し、この作品は商業的に健闘していて、初登場から23年目にして人気を得た作品に登場することが出来ました。  

 

ジンクスも晴れてなくなりましたし今後も新作が作られた時もまた色が登場キャラクターとして参戦することを願います。

 

 

サムライスピリッツの色

左のキャラクターが色。中央のキャラクターはナコルルで右のキャラクターは覇王丸。色は「半陽の男」覇王丸を追い狙っている。

                                                    

▬イラスト:英さん(Pixiv link

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