春日野さくら

 

登場作品:ストリートファイター

 

 

カプコンの対戦格闘ゲームの代表的なヒロインの一人であるさくら。彼女が初登場したのは、ストリートファイターシリーズのパラレルワードであるストリートファイターゼロ2です。リュウに憧れてストリートファイトを始め、リュウと似た技を使う女子高生という設定のさくらはそれまで硬派な印象を与えていたストリートファイターシリーズに出すのに社内で否定的な意見も少なくなく議論を呼んだそうです。最終的にプロデューサーがゴーサインを出し、プレイヤーキャラとしてゲームに出ることになった彼女ですが、ストリートファイターのファンたちの間でも賛否が分かれたのではないかと思います。

 

実際、僕もさくらを初めて見た時は、リュウの技を使う女子高生が出るの? ちょっと安直すぎないかと思ったものです。必殺技ももュウと似てるので性能もあまり個性的ではありません。いまいちぱっとしない印象のあった彼女ですが、一つの転機を迎えました。中平正彦氏がさくらを主人公とした漫画「さくらがんばる」の連載を始めたのです。  

 

リュウと同じ師匠の元で修業をした火引弾の弟子という設定になり、なんでリュウに憧れてストリートファイターを始めた女子高生が波動拳を撃てるんだっていう無茶苦茶さはだいぶ薄まりました。とはいえ気の修業をほとんどせず実戦の中で使えるようになるというあっさり感は漫画だからというご愛敬で。  

 

硬派さとふざけた言動が混じる弾と普通の女子高生であるさくらの会話のやり取りは微笑ましくも楽しく、それでいてさくらはストリートファイトを続けながら闘うことの意味に葛藤する一面もみせます。その答えを出すためにもう一度ストリートファイターを始めたきっかけの人であるリュウともう一度会って闘おうと決意します。父の仇であるサガットを倒すという目的を持つ師匠の弾と共に世界を旅するさくら。命を懸けた闘いをする苦境にも会いながらも一途な思いで闘うさくらの姿に相手となる格闘家たちも感化されていきます。

 

そして、さくらはついにリュウと出会え、ストリートファイトを申し込みます。武骨なストリートファイトの世界にその名前の通り、爽やかな春の風を与えたさくらの奮闘する姿を見事に描いたこの作品は人気を集め、何度も再販されるほどの作品となりました。 カプコンVS  SNKにも登場し、ストリートファイター4シリーズ、ストリートファイター5にも出場したさくらは今ではストリートファイターシリーズで春麗の次に欠かせないヒロインにまで成長したといっても良いのではないでしょうか。  

 

そんなさくらをデザインしたのは元祖闘うヒロイン春麗の生みの親であるあきまん氏。長きにわたって多くの人に愛される親しみやすいキャラクターを二人も生み出した氏の凄さを改めて思いました。

 

 

ストリートファイターの春日野さくら

右のキャラクターが春日野さくらで左のキャラクターが神月かりん。二人は同じ高校に在籍し良きライバル関係にある。

 

▬イラスト:ちえのんさん(Pixiv link

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